子持ち形成外科専門医の少しタメになる話

形成外科専門医の傷や美容に関する話です

ピアスについて。

こんにちは。子持ち形成外科医のぷにです。

今日は『ピアス』についてお話します。

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ファーストピアス

耳たぶにあける時についてお話します。

素材、太さ、長さ

金メッキ、ニッケルなどはやめましょう。

ピアス穴を開けたばかりの皮膚はとても敏感で金属アレルギーや化膿の原因となります。

18金や24金でも皮膚トラブルの原因となるため、ファーストピアスは純チタン最かサージカルステンレスにしましょう。

ファーストピアス少し太めにしましょう。

ファッションピアスは18-20Gが多いですが、ファーストピアスは16Gぐらいにしましょう。

腫れることも考慮に入れて、長めのポストのものを用意しましょう

前後に多少ずらせるぐらいの長さのものにしましょう。

ぎりぎりの長さにするとピアスが皮膚の下に埋まってしまうことがあります。

耳たぶが厚い人用にロングタイプも売っています。

方法

私はピアスガンという銃のような形のもを使用しますが、市販のピアッサーでも問題ありません。

自分で空けるのはなかなか難しいので、友人や家族に空けてもらうほうがベターです。

怖くて中途半端になるくらいなら病院で開けてもらいましょう。

位置

本人の希望が一番ですが、目安としては耳たぶ下縁7.3mm、耳前から7.3mmを基準に±1mmで左右のバランスを考慮して開けます。

角度は耳たぶに90度とおでこに90度の中間の角度を基本にします。

希望で下方が良い場合は耳たぶがちぎれないように後ろが高くなるように設定します。

開けた後

体が傷と認識している場所にピアスをつけたままにするとそのピアスを避けて皮膚が修復され、ピアスホールという穴ができます。

このピアスホールができるまでにトラブルが起きます。

昔は消毒液等で処置していたそうですが、傷と同じで、洗顔時に一緒に洗ってシャワー等で水で流してもらえば十分です。

ピアストラブル 

感染

抗生剤、軟膏などで治療します。

接触性皮膚炎

原因となる金属を辞めて、ステロイド軟膏等を使用します。

皮膚の下に埋まった(皮下埋入)

場合によっては部分麻酔してとりだします。

耳たぶがちぎれた(耳垂裂傷)

大きいピアスが引っかかったりすると起こります。

ピアス穴を温存しながら縫合します。

ケロイド

穴をあけた部分が膨れて硬くなります。

経験上耳たぶでもできることがありますが、軟骨ではこのリスクが高くなります。

 

トラブルがおこった場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

病院でピアス穴を開けるメリットは、トラブル時にすぐに受診しやすいことです。