子持ち形成外科専門医の少しタメになる話

形成外科専門医の傷や美容に関する話です

頬に左右対称のシミがある!肝斑(かんぱん)について。

こんにちは。子持ち形成外科医のぷにです。

今日はよくお母さん世代から相談される『肝斑』についてお話します。

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肝斑ってなに?

肝斑とは30ー40代の女性に多くみられる左右対称のシミの一種を指します。

頬に多いですが、おでこや口周辺にもできることがあります。

他のシミと違って左右対称にべたーーっとできているイメージです。

 原因はなに?

いろんな説がありますが、私は慢性的な刺激が原因だと考えています。

子供や高齢者にはなく、男性でも毎日メイクする方には認められます。

特にこすられる頬にできることが多いことからも、メイクなどからの外的刺激が誘因となっていると思います。

肝斑を隠そうとしてさらにメイクでこすって刺激となり、悪化するという悪循環になります。

 治療はなに?

肝斑は他のシミ治療に用いられるレーザー治療で悪化することがあります。

自分で判断せず肝斑と他のシミとをしっかり医師に見極めてもらうことが大切です。

治療のメインとなるのはトランサミンという飲み薬です。

トランサミンってなに?

炎症を抑えたり、止血作用をもつ飲み薬です。

風邪のとき、血が止まらなかったりするときに処方されたりします。

トランサミンにはメラニンの産生を抑える作用があり、これが肝斑に効果的です。

効果がでるまで時間がかかるまで最低2ヶ月は飲み続ける必要があります。

大体私は1日トラネキサム酸1500mg ビタミンC3000mg処方することが多いです。

止血作用があるので脳梗塞心筋梗塞の既往がある方は医師に確認してからにしましょう。

状態によって休薬したり、再開したり、医師が判断します。

休薬すると再発のリスクもあるため、自己判断はやめてほしいです

病院でなくても8週間のみ使用する「トランシーノ」ならAMAZONや薬局で買うことができます。

 

その他には?

紫外線を避けることは当然ですが、それ以外にはハイドロキノン(美白クリーム)を使用します。

また肝斑に効果のあるケミカルピーリングや新しい肝斑用レーザーなどがあります。

 

 

トランサミンの内服が基本になりますが、金銭的に余裕があるならピーリングや肝斑用レーザーの検討もよいかと思います。