子持ち形成外科専門医の少しタメになる話

形成外科専門医の傷や美容に関する話です

でべそは治せる!?臍ヘルニア・臍突出症

こんにちは。子持ち形成外科医のぷにです。

今日は臍ヘルニア・臍突出症(でべそ)についてお話します。

 

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 『でべそ』になんでなるの?

生まれてからへその緒がとれた後にうまくおへそが作られなかった場合にでべそになります。

出産の際のへその緒をうまく処理しなかったから起こるわけではありません。

腹筋が脆弱で左右の間に隙間があるとお腹の中の臓器がその隙間からでてきてしまいます。

左右の腹筋の間におへそがあるため、『でべそ』になってしまいます。
発症頻度は約5%。生後2ヶ月までに75%が発症しますが、1歳までに80%、2歳までに90%が自然に治ります。

また腹筋が成長してきて隙間がなくなっても、その間に皮膚が非常に伸ばされると、『でべそ』の形のまま治ってしまいます。

また、でべそで臓器がでて戻らない状態(嵌頓)することは

治療法はなに?

手術しない場合

2歳までは保存的治療で治る可能性があります。

腹筋の間から出てきた臓器を中に戻し、綿球や装具などでおへそを圧迫します。

治療は早くすればするほど良いです。

手術する場合

3歳以降は自然治癒する可能性は低くなるため、外科治療の適応となります。

記憶がないうちに手術する場合は4歳までに全身麻酔で手術するのが良いかと思います。

それ以降であれば全身麻酔であっても、本人がやりたいと希望している症例のほうがスムーズに進みます。

整容的な問題となることが多いので、本人が気にしているのなら手術を勧めてあげましょう。

 

手術しないで済むことも多いため、生まれてきて『でべそ』が気になるようならすぐに形成外科を受診しましょう。