子持ち形成外科専門医の少しタメになる話

形成外科専門医の傷や美容に関する話です

子供が顔をケガしたときは?

こんにちは。子持ち形成外科医のぷにです。

子供って転んでよくおでことか目の周りはぶつけて切ったりしませんか?

男の子でも女の子でも特に顔の傷はきれいに治ってほしいです。

今日は顔のケガの注意点についてお話します。

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まずは圧迫止血!

顔は非常に血流が良いです。

ちょっとした傷でもよく出血してしまいます。

子供も親もパニックに陥りますが、焦らずピンポイントで傷をガーゼなどで抑えましょう。

呼吸を調えて、病院に行くべきかどうか判断しましょう。

 

おでこの傷。

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非常に多いです。

家具の角にぶつけたり、遊具の天井にぶつけたり。

おでこの傷は簡単に深い傷となるので注意が必要です。

皮下脂肪があまりなく筋肉も薄いので、勢いがあると簡単に骨まで達します。

たまに皮膚だけ縫合されていることがありますが、筋肉もしっかり縫合しないといけません。

筋肉がきれた部分がへこんだり、眉毛をあげたときにおでこの左右差がでます。

 

目のまわりの傷。

目尻

おでこと同様に多いです。

目は反射的に避けるので、目尻に多いです。

この部位も脂肪が少なく、筋肉から骨まで達することが多いです。

しかもよく動く部位なので、傷を幅狭く治すには皮膚、筋肉をしっかり縫合することが大事になります。

眉毛

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眉毛はよく目が行くパーツの一つです。

眉毛の連続性が損なわれ、段差が生じると非常に目立ちます。

縫合する際には眉毛の上の線、下の線をしっかり合わせないといけません。

後から修正するのは大変です。

また、傷には毛が生えなくなります。必ず毛がない部分が狭くなるように縫合します。 

 

ほっぺの傷。

子供はほっぺの皮下脂肪が多いので、すり傷で済むことが多いです。

以前紹介した、『水道水で洗って』『湿潤療法』で良くなることが多いです。

 

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くちびるの傷。

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よく切れる部位の一つです。よく出血します。

落ち着いてから、口の中は大丈夫か、歯がとれていないか、傷は口の中と寬通していないか注意です。

口も顔面の中で非常に目立つパーツです。

くちびるの赤い部分は眉毛と同じように段差になると非常に目立ちます。

またくちびるの赤い部分はwet lipとdry lipがあります。

外側はリップが塗れることも乾いていることがわかります。

内側は乾燥しないように濡れています。

例えばwet lipとdry lipがきれいに縫合されていないと、将来リップを塗る際に一部分だけうまく塗れないなどということがおきるので注意です。

 

顔の傷は形成外科へ!

ケガして心配ならまずは救急外来でもいいので病院を受診してください。

24時間以内であれば顔の傷は再度縫合可能なことが多いです。

翌日改めて形成外科を受診してください。

 

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